進化するカスタムカー文化!東京オートサロン2025で振り返る歴史と展望

東京オートサロン2025とは

開催概要と注目ポイント

東京オートサロン2025は、2025年1月10日(金)から12日(日)までの3日間、千葉県千葉市の幕張メッセで開催されたイベントです。今年で43回目の開催となるこのイベントは、1983年に『東京エキサイティングカーショー』としてスタートし、1987年に現在の名称へと変更され、長年にわたりカスタムカー文化を牽引してきました。

今回のイベントでは、「GRカローラ・ラリーコンセプト」の世界初公開が注目を集め、特設ステージではD1GPのデモランや佐藤琢磨によるホンダF1マシン「RA272」のデモ走行が披露され、大きな話題を呼びました。また、eモータースポーツ大会ではSengoku Gamingが3連覇を果たし、盛況を見せるなど、オンラインとリアルを融合した多様なコンテンツでも注目を集めました。

日本最大のカスタムカーイベントの規模と意義

東京オートサロンは毎年非常に多くの人々を魅了し続けており、2025年の来場者数は合計258,406人を記録しました。これは前年を大きく上回る来場者数で、カスタムカーやモータースポーツの人気の高さを改めて証明する結果となりました。

また、このイベントは国内外の自動車メーカー、カスタムカーブランド、サプライヤーが一堂に集結する場としても貴重です。マーケティングの観点からも非常に重要なイベントであり、新しいカーカスタムのトレンドや技術的進化を紹介する役割を果たすだけでなく、来場者にとっては最新の情報が直接体験できる貴重な機会となっています。

国内外の参加者とその影響

東京オートサロン2025には、日本全国からの自動車愛好者だけでなく、海外からも多くの来場者や出展者が集まりました。この国際的な要素は、カスタムカー文化が国内にとどまらず、世界的な影響を持つ存在へと進化していることを象徴しています。

特に海外からの参加者は、一部のブースでの発表や新製品への注目だけでなく、ロードスターなどの人気車両のカスタマイズに対しても高い関心を示しました。それにより、日本のカスタムカー文化が国際的に高い評価を得ているだけでなく、技術やデザインの輸出にもつながっているという側面があります。さらに、eモータースポーツのライブ配信は英語版も含め合計290,708回再生されており、オンラインでの影響力の広がりも見逃せません。

カスタムカー文化の進化の歴史

カスタムカー文化の黎明期

カスタムカー文化はアメリカのホットロッドブームに起源を持ち、1940年代から50年代ごろに広まり始めました。戦後の自動車普及期、車を趣味として楽しむ若者たちがエンジン性能の向上や外装のカスタマイズを行い、これを仲間内や地域で競い合う文化が徐々に形成されました。日本では1960年代後半から、海外の影響を受けながらカスタマイズに興味を持った人々が増え始め、スポーツカーや軽自動車を中心に改造する動きが見られるようになりました。

東京オートサロンがもたらした文化的影響

1983年に『東京エキサイティングカーショー』としてスタートした東京オートサロンは、カスタムカー文化を日本における主要なトレンドとして定着させました。特に現名称に変更された1987年以降、毎年多彩な車両や技術が披露される場となり、カスタマイズ好きの愛好家だけでなく、自動車メーカーやパーツサプライヤー、一般来場者にとっても重要なイベントとなりました。東京オートサロン2025では、日本国内外の関心が高まるなか、改めてその文化的影響の大きさが示されました。

チューニング技術の進歩とデザインの多様性

カスタムカー文化の進化とともに、チューニング技術も飛躍的に進歩してきました。エンジンの出力向上や排気量の調整、オイル管理技術からエアロパーツの活用まで、多岐にわたる改造が可能となりました。また、デザイン面でも、クラシックなスタイルを尊重しつつ最新技術を活かした未来的なアプローチが登場し、カスタムカーの個性を色濃くしています。特に東京オートサロン2025では電動車両のカスタム事例も目立ち、次世代のトレンドが見える展示が注目を集めました。

*写真は70年代のナローポルシェの外観をオマージュしながらも、現代的なチューニングを施したシンガー・ビークル・デザイン

過去イベントのハイライトモデル

東京オートサロンの歴史の中には、数々の注目すべきハイライトモデルが存在します。たとえば、2024年の展示では「GRカローラ・ラリーコンセプト」が世界初公開され、多くの来場者を驚かせました。このような象徴的なモデルの公開は、毎年のオートサロンの大きな話題となっています。ロードスターをはじめとする人気スポーツカーのカスタム版も、イベントを代表する展示として長らく愛好家を魅了し続けています。

東京オートサロン2025の見どころ

新時代の電動車両とカスタムカー

東京オートサロン2025では、電動車両とカスタムカーの融合が一層注目されています。近年、電動車両の普及が進む中、それらを対象としたカスタムの可能性が急速に広がっています。特に、カスタム分野における新しい素材や技術の導入が進み、従来のエンジン車両とは異なる創造性が発揮されています。

*車両はヤマハ製フォーミュラe車両

今後のモータースポーツの進化を体感したい方にとっても、東京オートサロン2025は絶好の場となりました。今年の注目展示として、未来型モータースポーツ車両のカスタマイズモデルが各ブースでお披露目され、来場者の目を引きました。このうち、「GRカローラ・ラリーコンセプト」のサプライズ発表は、特に多くの関心を集めました。ラリー形式に特化したカスタマイズがなされたこのモデルは、走行パフォーマンスを最大限に活かすための素材と技術が反映されています。

また、エレクトリックモータースポーツであるe-D1グランプリや、D1GPのデモランも会場を盛り上げました。これらのイベントを通じて、未来のモータースポーツは単なるスピード競争だけにとどまらず、環境に配慮したテクノロジーとビジュアルにも磨きをかける方向へ進化していることが示されています。東京オートサロン2025は、こうした未来志向のモータースポーツのトレンドとカスタマイズの可能性を体感できる貴重な場となっています。

eスポーツとカスタムカーエクスペリエンスの可能性

eスポーツの台頭とともに、カスタムカーがデジタル体験の世界でも注目を集めています。東京オートサロン2025では、e-D1グランプリのようなイベントが開催され、リアルとバーチャルを融合した迫力満点のコンテンツが提供されました。これにより、観客だけでなく、参加型エンターテインメントとしての新たな価値が生まれています。また、15歳以下のeモータースポーツ大会の成功も、若年層を中心にカスタムカー文化をデジタルを通じて広める重要な取り組みです。将来的には、eスポーツが物理的なカスタムカーと同じくらいの存在感を持つことが期待されます。

マツダのカーボンニュートラル挑戦に見る持続可能性への具体策

マツダはカーボンニュートラルの実現に向け、独自の技術と哲学で挑戦を続けています。「マツダスピリットレーシング・ロードスター12R」の発表はその象徴であり、エンジン車であってもカーボンニュートラル燃料を活用することで環境負荷を低減できる可能性を具体的に提示しました。また、スーパー耐久レースで得られたデータを製品開発に取り入れ、現実的な持続可能性を追求しています。さらに、マツダは単に車両を開発するだけでなく、南青山に「マツダ・トランス青山」をオープンするなど、新しい顧客体験を提供しながら持続可能な未来を目指しているのです。

少年モリゾウが憧れた世界 モリゾウガレージ

モリゾウは少年ながらに、旧車やクラシックカーに心惹かれる特別な想いを抱いていました。時代を超えて愛される車には、設計やデザインだけでなく、それを作り上げた人々の熱意や背景までもが宿ります。それこそが彼にとっての魅力でした。現在「モリゾウガレージ」で展示されたスバル360やマツダR360クーペを見ると、彼がなぜこれらの車に心を動かされたのかがよくわかります。これらの車たちは単なる乗り物ではなく、昭和の時代を生き抜いた証であり、今でも多くの人々に特別な感動を呼び起こす存在です。

学生の手でデザインされた未来!オートサロンに響くエンジン音

東京オートサロンでは、プロフェッショナルによる華やかな展示だけでなく、職業訓練校や専門学校の学生たちによる独創的なカスタムカー展示も見どころの一つです。たとえば、日本自動車大学校(NATS)日産京都自動車大学校をはじめとする学生たちは独自のアイデアと技術を駆使して制作したカスタムカーやレストアした車両を展示し、その才能を示しています。彼らの作品は、その創造性や技術の高さで来場者だけでなく業界関係者からも注目されています。また、学生フォーミュラでの取り組みもこの会場で披露され、若きエンジニアたちの熱意と挑戦の場となっています。弊社もスウェッジラインブレーキホースで学生フォーミュラ日本大会を応援しています。

写真は日本自動車大学校

国際市場と日本発の文化輸出

東京オートサロンは、日本のカスタムカー文化を世界に発信する場としても重要な役割を果たしています。東京オートサロン2025では、海外からの参加者やメディアも多く見られ、日本発のカスタム文化がいかに国際的な評価を受けているかを示しました。特に、ロードスターのような日本を代表するモデルは、国内外のユーザーから高い支持を受けており、新しいカスタムデザインや技術が海外市場にも影響を与えています。今後も、日本のオリジナリティあふれるデザインや高い技術力を活かして、国際市場でさらなる文化的輸出を目指すことが期待されます。

おまけ

今年もしっかりと仕入れました。