AKRAPOVIC本社に訪問してきた!って話。(前編)

皆さんこんにちは!

プロト輸入商品課のSHIMADAです。

2024年11月8日から10日まで、イタリアミラノでおこなわれる世界最大級のオートバイのイベント『EICMAショー』が2024年も開催されました!

今年も会社から、仕入先とのミーティングを兼ね、新規商材探しの使命を受けましてヨーロッパに行くことになりました✈

「せっかくヨーロッパに行くのであれば、仕入先の本社に訪問させてほしい」と、会社に提案、

今回の話は、アクラポビッチ本社に訪問した時のお話です。

アクラポビッチの担当をして早6年?7年?、初めてアクラポビッチ社に訪問することが出来ました!

まず、アクラポビッチ社って何処の国にあるの?スロベニアです。

そう、イタリアの西側に位置し、旧ユーゴスラビアであった国の1つです。

中央ヨーロッパに位置するスロベニア共和国(Republika Slovenija)は、アルプス山脈、ディナル・アルプス山脈、地中海のアドリア海沿岸部とヨーロッパの4つの大きな地理に接しています。

スロベニアという国は、日本人の98%が人生で一度も訪れない国。

それ以外の2%の日本人になってきました!!

スロベニアの首都、リュブリャナの街のシンボルは、『ドラゴン』。

力や勇気、大きさの象徴として街の中に銅像やリュブリャナ城の紋章、市章として描写されています。

街並みは古いヨーロッパって感じ。

スロベニアについての前置きはここまで

 

 

【ここからが出張の始まり。】

Day 1

11月2日に新幹線で品川駅まで移動し、品川駅から目的地成田空港まで移動。

が、しかし

行きの新幹線では、豪雨の影響により新幹線が静岡県の何処かで緊急停止し3時間の立ち往生。

座っていられるのは良かったのだが、、、線路って真っ直ぐ平らな場所は少なく、カーブする場所は若干傾斜が付いているんですね…

おかげで、3時間ほど右側に傾いた傾斜角10度?くらいの場所で、腰がやられました。

品川駅にやっとの思いをして到着したら、成田エクスプレスは既に出発しており、鈍行電車で更に2時間~

家を出てから6時間以上、成田空港付近のホテルに到着。

Day 2

11月3日 そんな悲惨なスタートを切った翌日、成田空港からスイス・チューリッヒ国際空港を経由し約18時間の飛行機旅を終え、夜11時頃スロベニア国際空港に着陸。

不思議なもので、18時間掛けて移動しても到着したのは出発したのはなんと同じ日の夜。ちょこっと得した気分。

※スイス・チューリッヒ国際空港には、トライアンフのSPEED TWIN900RRにアクラポビッチ社製のマフラーが装着された車両が展示してありました!

空港からは、タクシーに乗り込みアクラポビッチ社が手配してくれたホテルへGO!

ホテルに到着後、散々飛行機の中で寝たのに1日ぶりのベッドでの就眠は最高過ぎた。爆睡????

Day 3

11月4日 朝7時にアクラポビッチ社の担当、通称ロブ郎氏がホテルまで迎えに来てくれてアクラポビッチ社に訪問。

本当は社内の動画を撮ったり、写真をバシバシ撮って自慢したかったんですが…

撮影はNG

車両メーカーから借りている未発売の車両が何台も有ったり、会社に潜入する前にスマホを没収され、撮影することが出来ませんでした????

しかし、担当者のロブ郎氏から後日画像データを頂いたので、これからアクラポビッチ社内のルームツアーを覚えている限り時系列に沿ってさせて頂きます。

 

■アクラポビッチ本社内潜入■

まず、訪れたのは【laboratory】

ここでは、チタンやステンレスなど素材の剛性などを研究する施設。

顕微鏡があったり、見ても訳の分からない機材が何台も…

写真には写ってないけども、数千万円する機材が幾つもあった。

この研究室長は、チタンやステンレスについては天才と社内で呼ばれており、極限まで薄く・軽く、そして強いパイプ・マフラーを作り上げための研究をしているらしい。

アクラポビッチの新しいテクノロジーは、この部屋から生まれるとのこと。

研究室の次に案内されたのは、【3Dスキャンの部屋】

ここでは、4輪・2輪問わず、車輌をそのまま部屋に入れてノーマル車両のデータを取る部屋。スキャンしたデータはCADに落とし込み、大まかなデザインを決める。

全ての車両はこの部屋に入るところからプロジェクトがスタートする。

 

次に通されたのは、【カーボン部屋】

画像はないけど、カーボン用のデッカイ冷蔵庫があったり、窯があったり…何より成形は全て手作業である事に驚いた。

最後のクリアを吹くところも全て自社で解決している。

 

そして、【パイプの製造】

アクラポビッチでは、パイプの製造を自社でおこなっています。平らな帯状のチタンやステンレス素材をリールで在庫を持ち自社でパイプを製造。自社製造だからこそ、ひとつひとつパイプの厚み・太さの種類を細かく用意出来ます!

細かい数字は覚えていませんが、毎日のように数十キロメートル分のパイプを製造しているそうです。

 

補足:各パイプにはシリアルコードが印字されており、どこで購入した部材なのか。いつ・誰がパイプにしたものかなども判明する。

また、パイプを作るにあたり必ず厚みが均等か、溶接はしっかりできているかなどチェック項目が多い!

 

【プレス・ハイドロフォーミング】

プレス機は重さ3トン?30トン?

スーパーマリオで例えるとドッスンみたいな機械が4・5台あり、常に大きな音が鳴り響いている。

このプレス機では、最近アクラポビッチのマフラーのスリーブ部の窪みデザイン(下画像参照)とかを作っている。

ロブ郎氏に『なぜこの窪みを作っているのか』聞いたところ、窪みデザインは強度を持たすためとデザイン性。

※そして、窪みデザインは窪んでいるラインの部分も素材の厚みを換えることなくプレス成型しているとのこと。

私にはハイスペック過ぎて全く理解が追い付かず… 普通、プレスして形状変えたら、その部分は伸びる=薄くなるのでは?

こちらはパイプを曲げるためのハイドロフォーミング。

パイプの中に水を入れ、曲がる部分を凹ませないようにしている。

この機材も1,000万円以上する (汗)

ちなみに、パイプを曲げるベンディングマシーンは、他にも6・7台?もっとあったかも…。

40年前に創業時に創業者のイゴール氏が買って使っていたパイプベンダーも置いてあり、現在も現役で稼働しています。

 

【溶接工程】

溶接部署は社内でも花形らしく、規模が大きい!

ここでは多くの職人が働いており、その職人全てがアクラポビッチ社のトレーニング施設で技術を積み

溶接の実施試験に合格した者のみが製品の製造を許される。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、機械での溶接。

治具にサイレンサーやパイプをセットし、ボタンを押すだけで自動で溶接してくれる。

ロブ郎氏曰く、簡単な溶接部分は機械でおこない、難しい場所は職人が担当するとのこと。

あ、忘れてはいけない!

アクラポビッチの製造ファクトリーには、溶接用の治具が何百種類も有り

全部並べると製造ファクトリーと本社の床面積を埋め尽くすほどらしい。

確かに、アクラポビッチ社は2輪用のみならず4輪用のマフラーも製造しており

メーカーOEM用のマフラーのラインナップも多い。

私が訪問した時にはポルシェのマフラー治具がセットされていた。

 

【ロストワックス鋳物】

アクラポビッチのパーツにはロストワックス製法の鋳物が所々に使われています。

例えば、バタフライバルブ構造部であったりレース用の物だとインナーチューブとか…

ロストワックス鋳造製法とは、蝋で原型を作り周りを鋳物砂や石膏で覆い固め

加熱により中の蝋を溶かし出して除去することによってできた空洞に溶かした金属を流し込み原型と同じ形をした鋳物が出来上がるもの。

アクラポビッチでは、石膏を使っていました!

そんなこんなで、アクラポビッチの製造ファクトリーツアー(11月4日午前中)は終了。

何から何まで、アクラポビッチ社は社内でやっていることに度肝を抜かれた。

 

今回はここまで、のこりは【後編】にて

後編では、本社やレース部屋、開発部屋とか、あとはユーロ規格(eマーク)を通すための施設であったりを公開する予定です。

長くなってしまいましたが、アクラポビッチの良さ・凄さを少しでわかって頂けたら嬉しいです✨

それでは、後編でお会いしましょう!

走り出せばそれはツーリング☝

バイバイク