サブロク(360ccの軽自動車)を所有してみて、今さらながら学んだ事とは?

今回は半世紀前の車”サブロク”を所有した事で、あらたに学んだ事をご紹介したいと思います。

 

目次 / Index
・東洋工業株式会社
・エコカーじゃないのに重量税が免除
・小板(しょうばん)ナンバーとは
・クルマの合わせホイールって
・シールドビームって
・なんとエアクリーナーボックスで季節対応
・その他もろもろ

 

東洋工業株式会社

ある日の事、ボンネットを開け車体のコーションプレート見てふと思い出した事が、

そうだそうだ、マツダって昔は東洋工業だったよな!

そして室内のこんな所にも東洋工業

そうです。マツダは1984年にブランド名にあわせ東洋工業株式会社からマツダ株式会社に社名変更したのでした。

そしてプロトではなぜかマツダ車に乗っている社員が意外と多いのですが、本来トヨタのお膝元でありながらなぜなんでしょうか?

事実若手メンバーだけでもなんと5人中3人がマツダ車、60%のシェアなんですよ。

こちらを参照

この時の撮影者も実はマツダ車オーナーで、

そしてそういう自分もマツダ車は2台所有しております。

MAZDA比率多し、なぜなんでしょうね…

 

エコカーじゃないのに重量税が免除

車検を受けてみて初めて知ったのですが、自分のサブロクには重量税はかかっていませんでした。

車検書の備考には、今時の車両の様に燃費基準やら騒音規制の事など記載されておりません。

わずか6行のみの記載ですが、

【自動車重量税額】非課税* と書いてありました。

そもそもこの時代に軽自動車は車検制度がありませんでした。昭和27年(1952年)にいったん廃止された車検制度が、昭和47年(1972年)8月24日 軽自動車検査協会が設立登記され、昭和48年(1973年)10月1日に検査業務を開始し車検制度が復活してしまい、その為当時のオーナー達を納得させる為の措置であった様です。

よって現在でも該当する車両は重量税が免除となっているようです。

とはいっても、全てのサブロク(360cc)が重量税が免除という訳ではないのであしからず。

高年式のサブロクは対象外となります。(高年式といっても半世紀近く前の車両になりますが)

 

小板(しょうばん)ナンバーとは

 

ナンバープレートはバイクの軽二輪と同じサイズの小板(230mm x 125mm)、運輸支局と分類番号の位置が一般的なナンバーとは逆で分類番号から始まります。

そしてプレートの色は黄色ではなく白、さらに分類番号が2ケタ、登録台数が少なく今後も大幅に増えないから2ケタで充分なんでしょうね。

乗用自動車が88、貨物自動車は66、三輪車は33、特殊用途は00となります。

プレートの大きさも違い表記項目の順番も逆とはいっても、白い88ナンバーってなんか特種用途自動車みたいで、33ナンバーなんて昔の3ナンバーみたいで紛らわしくないかと思うのは私だけでしょうか…

但し、先にお話しした重量税免除の件と同様で全てのサブロク・360ccがこの白い小板という訳ではありません。

この小板は、1974年12月までに登録された軽自動車が対象で、1975年1月以降に登録された軽自動車の場合は現行の黄色い中板のナンバープレートになってしまいます。

初年度登録が昭和48年=1973年なのでまだセーフでした。

そして小板は残念な事に希望ナンバーとは無縁で対象外となります。

 

クルマの合わせホイールって

自分の車両は前期モデルなので、ホイールが合わせホイールでした。
サイズは径10インチ タイヤの銘柄やサイズは限定されますが、MINI用サイズが流通していますのでなんとか。

■デメリット
・好きなデザインのホイールに交換できない。
・チューブなのでパンクしたらお陀仏。

■メリット(ここではあえてプラス思考で無理やりメリットとしています)

・ホイールを表と裏逆に装着することで、ディープリム化できる。
・表リムと裏リムの組み合わせ次第で、ワイドリム化も簡単。
・よってオフセット(15年程前からはインセットとかアウトセットと言うらしい)も変更できる。
・こんなラーメンタイヤだって履けてしまった。

※くれぐれもホイールが10インチサイズ、車重が490kgの車レベルでのお話しなのでご容赦下さい。

 

シールドビームって

これって、寿命がきたらバルブ単体だけの交換ではなくて、ヘッドライト丸ごと交換しなくてはいけません。
このシールドビームはプロト若手メンバーの車、JA11ジムニーユーノスロードスターにも純正採用されていました。
レンズカットのデザインやレンズの丸み具合がシールドビームの味なんですが、でもやっぱり暗いんですよね。

 

なんとエアクリーナーボックスで季節対応

当然ながら一切の電子制御はなくキャブレターです。
旧き良き日のエアクリーナーはエンジンの真上に堂々と鎮座し存在感を主張している丸い奴です。

何が凄いってこの丸いボディーの側面に 『 W・フユ   S・ナツ 』 と表記されており、蝶ネジを緩めてスライドさせ吸入量を調整するんですよ。

これで春・夏・秋・冬に対応するというメインジェットもびっくりの機構が武装されているんです。

そして中身のエアクリーナーはいたってシンプルなドーナツ型タイプ。
多少サイズが違っても装着できてしまうという汎用性に富んだ形状なので、K&Nの他車流用が出来てしまいました。

 

その他もろもろ

・四輪ドラムブレーキ

車重が490kgでもあまり効きません。
なので必然的に早め早めのブレーキをするようになってしまいました。

 

・チョーク
ある意味バイクより緊張し気合の必要な儀式です。ケーブルのワイヤーがいつ切れてしまうのではないかもスリル満点。
一発目の始動で失敗するとちょっとめんどうな事に。

 

・リアトランクのオープン時の固定 これも一応ワンストップドアオープナーだけど

超機械的な発想且つシンプルな構造。

でも何かでストップさせないといけないので、こんな針金ハンガーみたいなので対応。

これを採用した事には驚きと感動です。

 

当然この時代ストッパーに今や当たり前のダンパーなどという先進技術は使われておりません。
同じワンストップでも、NEOPLOTのRVワンストップドアオープナーが益々画期的に思えてきます。

 

・ウインカーレバーが超多機能

そうです、見ての通り色々テンコ盛りです。

左右のウインカーだけでなく、ハイビームやパッシングだけでなく、パーキングライト(駐車灯)、そしてなんとワイパーやウォッシャー液までもなんと
これ1本!
因みにパーキングライト(駐車灯)は昭和の車にはよく見かけましたが、最近は外車を除き絶滅してしまいましたね。

 

・アンメーターって何?

真ん中の AMP というメーターです。

電流のアンペアから文字ったアンメーター=電流計。

電圧計はよく聞くけど電流計てって何のためでしょうか?
要は充電中放電中なのかが一目で分かるメーターらしいですが最近はあまり聞かないので、おそらくパーキングライトと同じでよくある事ではないでしょうか。

 

・エアコン/クーラー
そんな高級装備はもちろん付いてません。力が無いのに走るんかな?
でも大丈夫、夏は乗りませんから。割り切っています。

なぜなら夏はオーバーヒートしてしまうかもしれないので過保護にしています。

実は意外に窓を開けた際の風通しがよいので、走行していれば意外と涼しいんです。
しかし信号待ちの時は最悪! この辺は夏のバイクと同じですね。

 

・最後に”白煙”
そうなんです、2ストです。
このクルマに乗る時だけですが、いつもミラー越しに後続車がやたらと車間距離をおいては走っているように見えるのなぜでしょうか?
わかっています。すみません、ほんとうにごめんなさい。

因みにオイルタンクにはこんな事が明記されていますが、

絶対 必要 って言われても、現在マツダではもう販売していないんでしょうが!

 

所有しなければ知らずに済んだ事でばかりで知っていても何の得にもなりませんが、今回は日本の高度成長期における一時代を一瞬でも支えた工業製品の愛くるしさを知っていただければと思いご紹介しました。
今ある当たり前の便利さに対して、今一度少しでも新鮮に感じながらその便利さを再認識して頂ければと思います。